祖母岳(アルプス庭園)の山頂付近に木道の材料を使って設置されていたベンチが、老朽化し崩壊している状況を改善させる作業を行ないました。
30年以上前に公共事業によって設置された当初からの欠点として、そもそも木道は、歩行者に木道から地面に下りないようにすることで植生を保護する機能を果たすものであるにもかかわらず、このベンチは、木道を下りてから腰掛けるようなレイアウトで置かれていました。そのため、利用者の「地面に下りない」という意識がなくなり、ベンチに座りがてら植生の上を歩き回るように仕向ける結果となり、周辺が踏み荒らされてる状態になってしまっていたのです。

今回はただベンチを修復するだけにとどめず、地面に一度も下りずに休憩できるよう、ベンチと木道が分離している構図を改め、木道からそのまま連続する形で利用できるデッキに仕立て直す作業を行ないました。

クラブのメンバーで普段は建築士として活動している石井大吾さんの監修の元、解体、整地、水平取り、周辺から再利用できる木材の調達、組み立て、という流れで作業し、わずか二日で素晴らしい展望デッキが完成しました。

以前のベンチに比べやや高くなり視点が上がったことで、見晴らしが改善し、利用者が格段にゆったりした心地で
憩える環境になりました。
これまで祖母岳（アルプス庭園）の、雲ノ平でも屈指とも言える楽園的な環境を、自ら毀損してしまっていた大きな要因を取り除き、祖母岳本来の穏やかな雰囲気を味わえる場所に戻すことができました。