準備作業
踏圧、流水、乾燥、霜などの作用で侵食された状態
今回の作業箇所周辺では、現在使用されている登山道に加えて、その上部に並行して走っている旧登山道でも、土壌侵食が進行している様子が確認できます。祖父岳の斜面上部から流れる水(雨水、雪融け水)が旧登山道に流れ込み、その場所で土壌を削り、溢れた水が再び草原に入り込みます。そして、下方の登山道で再び侵食を引き起こすという状況ですこのような状況を、どのようにして原因から解消できるか、考えました。
まずは旧登山道に流れ込む水を上部で分散させるための水切りを作ります。準じて必要な箇所にヤシネットの堰や土留ロールを配置し、徐々に下側に作業箇所を移していきます。現在敷かれている木道は一度傍にどかし、土壌侵食の原因から消していく作業を施します。
参加者たちが和気あいあいとしながらも自律的に作業を進める様子からは、3年間の経験が確かに実を結びつつあることを実感することができました。
マップ上の各ピンをクリックすると、その場所の情報が表示されます。
かつて公共事業で設置された後に崩れた丸太を撤去し、水みちを上部で分散させるため水切りを設置します。
土壌浸食が進行している箇所には堰や土留めロールを設置。土壌への負荷を最小限に抑えます。
土留ロールを侵食面にしっかりと密着させることで、土壌の崩れを抑えつつ自然地形の回復と形成を図ります。
将来的にどのような地形になるのかを具体的にイメージしながら土留ロールを設置します。
木道の道筋を上部にずらし、傾きを水平に調整することで水流に影響を受けにくい状態に改善しました。
水流を拡散、緩衝し、土砂流出による草地の埋没を防ぐために複数の堰を設置しました。
ヤシネットで転石を巻き込んだ土留ロールを侵食面に設置
踏圧、流水、乾燥、霜などの作用で侵食された状態
ヤシネットに転石を巻き込み堰を作る
傾斜があり流水で侵食を受けやすい状態