Kumonodaira Trail Club

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2023年度の活動

雲ノ平登山道整備ボランティアプログラムの活動も3年目を迎えました。KTCメンバーに加え、ゲスト参加者、山荘スタッフを合わせ総勢約30名が集まり、これまでに増して活気のある現場となりました。

2023年度の整備活動では、祖父岳分岐点付近のなだらかな山麓をトラバースする登山道上で、大規模に土壌侵食が起きている箇所の植生復元工と木道の修繕作業を行いました。

2022年度の祖母岳の池塘の修復作業に続いて、「土留ロール工法」を主に使う内容であるため、参加者がそれらの工法を「人に教えられる」程度に理解し、習熟できているかどうかを意識しながら作業は行われました。メンバーが自律的に活動を展開するためには、ただ正確に作業できるだけでなく、ディテールや目的を人に伝え、共有できることも同様に大切なことです。

例年の通り、プログラムは自然観察から始まりました。まずはメンバー全員で雲ノ平全域の登山道の荒廃状況や過去の植生復元工の事例をよく観察し、土壌浸食を生み出す原因やメカニズムはどういったものなのか、その原因にどうアプローチし、最終的にどのような景観や生態系を回復させるのか、また、登山者が土壌に負荷をかけずに通行できる道のあり方はどのようなものかなど、全体の関連性を理解し、完成形を具体的にシミュレーションした上で作業を行います。土壌浸食の原因や生態系や景観の理想的な姿を理解せずに作業すると、効果を発揮しないか、悪くすると返って大きな荒廃を生み出してしまうことも稀ではありません。

祖父岳巻き道の植生復元

ハイカーズデポによる2023年度ボランティアプログラムのレポートはこちら

ハイカーズデポによる2023年度ボランティアプログラムのレポートはこちら