雲ノ平トレイルクラブについて
雲ノ平トレイルクラブについて
登山道をどのように
維持管理するべきなのか
雲ノ平トレイルクラブは登山道の整備・
維持管理の活動を通じて、
持続可能性が懸念されている国立公園の管理体制に
新たな可能性をもたらすとともに、
環境危機の時代における社会と自然環境の、
新しく
創造的な関係を築くことを目的とした組織です。
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登山道から見えるもの
私たちは「道」の存在を通じて世界に出逢います。
異国を旅する時も、近所の友達に会いに行く時も、何らかの道を通じて、あらゆる「可能性」にアクセスしていることに気付かされます。
同時に、旅にせよ生活にせよ、目的地に到達するということ以上に、その道程で見る景色や過ごす時間にこそ、経験の質が決定づけられることもしばしばです。
登山道は、山や森、渓谷や高原にわたしたちを誘う道であり、そこには都市が失ってきた厳しく、繊細な、世界の原風景に近い自然環境が残り、それゆえにわたしたちに多くの学びや体験を与えてくれる存在だということができます。 -
「道」を巡る混乱
しかし、生態系や景観美が繊細だからこそ、人々が集中的に行き交う登山道をきっかけに環境が壊されてしまうという事態が、各地で起こっています。
集中豪雨やオーバーユースで荒廃が加速する道や、人員不足で整備ができず放置される道がある一方で、自然体験の本質を顧みずに過剰な(誤った)「整備」を行って自然景観や生態系を壊してしまう事例も少なくはなく、そこには道に対する社会の思想の欠乏が立ち塞がっている現実が垣間見えてきます。
登山道とどう向き合うのか。このことは、今後わたしたちが「自然とどう向き合うのか」と密接に関係することなのです。
日本の国立公園では、
何が起こってきたのか?
歴史と現状
日本は600万人といわれる登山人口を誇りながらも、
山岳地の国立公園(登山道)を
持続可能な形で維持管理するシステムが
確立していません。
そこにはどういった背景があるのでしょうか。
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01
「保護と利用」の均衡を保つべき
バランスの欠如国立公園は、産業革命によって急速に失われる生活環境や生態系を守ろうと、市民が声を上げたことをきっかけとして19世紀の欧米で生まれました。
以来、私たちは国立公園をはじめとした、制度によって保護された自然環境を体験することを通じて、生態系の多様な営みや世界の美しさについて学ぶ機会を享受しています。
国立公園の受益者は誰なのかと言う問いに触れることがありますが、歴史を正当に評価するならば、私たちが自然から学ぶ機会を将来にわたって保つための手段である以上、受益者は全ての人々ということになります。世界を見渡すと、この意義を大きく評価している社会ほど、国立公園に人材や予算などを手厚く備えていることがわかります。 -
02
日本の国立公園
欧米の価値観を受け入れて設立したのが日本の国立公園ですが、性急に近代化を推し進めた私たちの社会では、日常生活の問題としての自然環境をめぐる世論が希薄だったため、相次いだ登山ブームの隆盛とは裏腹に、自然環境を持続可能な形で保全するためのシステムが成熟せず、消費的な観光利用に傾斜した形で運営されてきました。
結果として、類稀な自然環境を有しながらも国立公園の自然保護に資する予算や人材、実践的な制度などが充分に備わらず、現場の管理体制の大部分を地域山岳会や住民、山小屋などの民間団体及び基礎自治体などの「自助」に頼る形が取られてきたのです。
しかし、近年はゲリラ豪雨による登山道の荒廃の加速や山岳会の高齢化、山小屋の経営基盤の不安定化、地方行政の窮迫、コロナ禍などにより、その構図が急激に限界をきたしています。
雲ノ平トレイルクラブが
目指す未来
新しい登山道整備の仕組み
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01
助け合うということ
山小屋などの自助が機能せず、当面公助も機能しないとなれば、今取れる方向性は共助ということになります。
単独で事態を解決できる主体がいないからこそ、助け合うということ。
当たり前のようでいて定着しづらいあり方を、私たちは明確な可能性として育てたいと考えています。
国内ではまだ事例が少ないものの、海外の国立公園の現場では、NPOやボランティア組織が、行政や自治体だけではカバーしきれない様々な機能を効果的に担っているケースが数多く見られます。 -
02
環境保全を包括的に実践する体制
雲ノ平トレイルクラブでは、活動の目的を「善意を示す」「行動する」だけの範囲にとどめず、専門家や行政、登山者、企業などを広く巻き込み、社会の中で価値観を共有するコミュニティとしての基盤を作りながら、景観や生態系に調和した技術の確立、情報共有の仕組みづくり、財源の多元化など、登山道の維持管理に関わる課題を包括的に実践する形を築きたいと考えています。
こうした活動を通して、持続可能な環境保全システムのロールモデルを提示すると共に、環境危機や資源の枯渇などに揺れる現代社会において、真に豊かな社会のあり方を思い描くきっかけになれれば幸いです。
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