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活動レポート 2023.07.30

雲ノ平登山道整備ボランティアプログラムに参加した実録レポート

こんにちは!雲ノ平トレイルクラブの ”ともさん(山本)” です。
初のブログ投稿です。よろしくお願いします。

趣味の登山が大好きで、特に北アルプスにはよく足を運んでいます。
2022年からボランティアスタッフとして、雲ノ平トレイルクラブに参加し、北アルプスー雲ノ平の植生回復や登山道整備を通じて、多くの登山者の皆さんが、雲ノ平で素晴らしい自然体験ができるよう、少しでもお役に立てればと思い活動しています。

どんな人たちが参加しているの?

2021年よりスタートしたこのボランティアプログラム。
2022年からはプログラムの運営を新たに設立された一般社団法人「雲ノ平トレイルクラブ」で行われました。
環境省のレンジャー/アクティブレンジャー、大学の研究者、雲ノ平山荘のスタッフ、ボランティアスタッフが参加しました。
ボランティアの参加者は建築士や大工さん、学生、自分のような一般的な会社員など多種多様な職種で、年齢も20代~50代と幅広い世代が集まりました。

登山道整備の事何も知らないけど大丈夫?

雲ノ平山荘オーナーの伊藤二朗さん
自然観察会で使用した植生復元の説明資料

いきなり登山道整備の土木作業的な事を行うのではなく、まず雲ノ平という土地ができた歴史的な背景や、どうやってこの自然環境ができてきたのかなどの自然観察会や座学が行われます。日本の国立公園の環境保全に関する重大な課題など、雲ノ平山荘オーナーの伊藤二朗さんより説明をうけ、知識的なインプットをいただくことから始まりました。

また、ハイカーズデポ 勝俣隆さんより、アメリカの国立公園(AT、CDT、PCTなどのトレイル維持のボランティア活動など)がどうやって行われているか?など、国内にとどまらず、海外の活動も紹介いただきました。

座学の様子

これまで自分は幾度となく雲ノ平には足を運んだことがあり、十分美しい景色と感動をしたものですが、年々気候変動による自然環境の荒廃、登山道の荒廃、山小屋の経営環境の不安定化、人材不足など複雑な課題要素が絡み合っているという事を教えていただきました。


二朗さんに見せていただいた、たった数十年前の雲ノ平の写真と、現在の雲ノ平を見比べると明らかに変わってしまっていて、この美しい自然環境を維持し続けることが非常に困難になってきている現状を目の当たりにしました。

1955年ごろの祖母岳(アルプス庭園)に広がる草原と池塘

植生回復・登山道整備作業って何をするの?

工具類の使用方法に関する説明
木道を再利用するために長さを調整

植生回復作業や登山道整備作業は、ボランティア参加者はみんな初めての作業です。
具体的な作業手順のレクチャーを受けながら実践していきます。初めて使う工具も使い方を教えてもらいます。

池塘周辺の地形を観察

植生回復作業では、祖母岳山頂の池塘の修繕を行いました。池塘は池が決壊してしまうと、ゴルフコースのバンカーのようになってしまうので、決壊した箇所を丁寧に修復し、再び水がたまるようにできるだけ自然な形で修繕していきます。


登山道整備では、雲ノ平の顔ともいえる木道の整備。古くなってボロボロになってしまった木道を外し、きれいな状態にしたり、石積みなどをして木道がぐらつかないように安定させます。

ヤシの実ネットを活用した土留めロールの作成
侵食を受けた箇所に沿ってロールを配置
周辺に点在する岩石を利用して固定

急こう配の木道も、霜が降りると滑って危険なので、階段状に備え付けなおしました。
祖母岳の頂上にはウッドデッキを作りました。最高のくつろぎスペースですよ!

施工箇所の狙いをつける
木道再設置箇所の下に岩を使って土台形成
階段状に修繕した木道

参加してみてどうだった?

雲ノ平山荘のスタッフさんと一緒にお手伝い
休憩中も目の前に広がる美しい景観
力を合わせて木道を設置

国立公園という国の保護下にある地域についての環境維持、登山道整備は自由勝手に行えないなどの制限があり、自然環境の保護の課題解決には大きな困難があることを知りました。
そんな中、登山が趣味で幾度となく北アルプスを訪れる自分ができる事は何だろう?と思い、このボランティアプログラムに参加したわけですが、「皆で協力し、積極的に自然に関わること。」がこの美しい自然環境を維持する一助になると改めて思いました。


自分が初めて雲ノ平に来て味わった感動を、これから雲ノ平に訪れる人たちや、今の子供たちが将来雲ノ平に訪れる事があったときにも、素晴らしい感動体験をしてほしいと思います。
今回このボランティアプログラムに参加させていただいて、これまでの登山やハイキングへの考え方やアプローチが大きく変わったと感じています。

一般社団法人「雲ノ平トレイルクラブ」で行われる活動が継続し、このボランティアプログラムが広く認知され、多くの方々に応援してもらえるように、微力ではありますが今後も積極的に参加していきたいと思います。

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